東京都は、ビルの解体工事などで発生したコンクリート塊から製造される建設資材「再生砕石」の利用を支援するため、再生砕石の品質基準を審査して認証する新しい認証制度を2017年5月1日からスタートした。
近年、都市更新の進展に伴い、ビル解体が増加。再生砕石の原料となるコンクリート塊の大量発生が見込まれることから、出口戦略として新制度をスタートし利用拡大を促す。
再生砕石は、産業廃棄物扱いで、JIS(日本工業規格)などの品質基準がない。現在、業者ごとに自主基準で生産しているため、施主からの信用度も低く、新築住宅建設などでは忌避されるなど需要が減っている。また、使われずに放置されると、置き場所の問題や建築解体が滞り、新規ビルやマンションを建設できなくなる。
そこで都は再生砕石の基準認証を付与し、基準を満たす品質の製造可能な施設について、施設認証することで製造施設に対しても認証を付与し、信用を与える新制度を整備する。基準認証の基となる再生砕石の品質基準は東京都産業廃棄物協会(東京都千代田区)を中心に解体・産廃・建設の3業界が連携して策定する。
都は、これらの民間団体などが策定した品質基準を「技術的、学術的知見に基づき優位性が認められた品質基準」であることを確認した上で認証を付与する。「粒の大きさ、含まれる成分の数値基準のほか、破砕機や粒径の大きさを分けるためのふるいがあるか、などハード的なスペックもチェックした上で生産工場を持つ会社、施設ごと、ラインごとに認証書を出す」(都環境局資源循環推進部産業廃棄物対策課)としている。