所有者不明空き家解体執行へ
建物全体適用は都内初!
台東区は2018年、空き家対策特別措置法に基づき、倒壊の恐れがある同区橋場二の空き家の解体を始めた。建物の所有者が確認できない場合に適用する略式代執行の手続きで実施。町田市が昨年十月、空き家敷地内の木やトタン板の撤去を略式代執行で行ったが、建物全体で適用するのは都内で同区が初めてという。
空き家は木造二階建て、延べ床面積は約四十平方メートル。住宅地の一角にある。築年数は不明だが、地域住民らによると、昭和三十年代に建てられ、十年ほど前から空き家だったという。
この日は区職員が代執行を宣言した後、解体作業員が周囲に工事用のフェンスを設置した。一週間ほどで解体を終える予定。
区は二〇一二年に区民から「老朽化した空き家がある」と通報を受け、不動産登記などで所有者の調査を始めたが、突き止められなかった。ここ数年で建物が傾き始めるなど倒壊が進み、隣接する建物への被害防止などのため解体に踏み切った。
費用は約百五十万円。所有者が今後も見つからなければ、区の負担となる。区内の空き家は四百五十五棟(昨年十二月時点)あり、倒壊の恐れなどがある「特定空き家」は今回解体する一棟のみ。所有者が判明している特定空き家の解体は、都内では葛飾区や板橋区などで実施されている。
参照:東京新聞(川田篤志)