まあ、これは私の個人的な意見ですが・・・
個人によって違うとは思いますが「ある物を綺麗に無くす」という作業が何とも言えない快感だったりします。
それと、建設の様に「物を作り上げる」という喜びや感動も分かりますが、そこに辿り着くまでには想像もつかない様なストレスとプレッシャーが長期にわたってかかります。
しかし、解体工事は作り上げるのではなく、解体して無くしてしまう工事なので、それほどの精密さは求められません。
例えば、同じ建設業で言う土木工事などは数センチ間違えて施工すると、橋が掛からなかったり、道路が違う方向に向いたりと、大変な事になってしまいますし、建築物ならわずか数ミリ単位で作り上げていく世界です。
それに比べて解体工事は、ミリとかセンチなどの単位は基本的に関係ありません。
とにかく、工期内に安全で効率よく作業を進める事が第一条件です。
構造物を作り上げる際に起こる「施工ミス」とは皆無なのです。
- 解体は楽な仕事なの?
とは言え、NOリスク、NOプレッシャー、の楽な仕事なのか?言えばそんな事はありませんよ。
解体工事も壊し方を一歩間違えれば重大事故にもつながる常に危険と隣り合わせの仕事なのです。
ですから、解体現場に携わる職人たちは常に神経を尖らせながら仕事に就いています。
その中で楽しみを見出している訳です。
- 解体現場は楽しいの?
解体現場を一度体験してみて下さい。と言っても難しいと思いますが、結構面白いですよ。
物をバンバン壊すことなんて中々出来ませんよね?
例えば、住宅の解体だったら、部屋の壁を思い切りバールなどで壊していくと、悩みなんか吹っ切れますよ!
壁一枚、ドーンって一気に倒すとこれまた快感です。
それに、重機に乗って解体する時は、機械の力で一気にバリバリッと壊れて行きますので、神の力を持ったような錯覚に陥ります。
大工さんが3~4か月かけて作り上げた家がほんの3~4日で壊れてしまうのですから。
- 解体は短期の仕事が多いの?
短期決戦で勝負が早いのも良いですね。
建設工事の場合、同じ現場に数か月、長ければ数年かかる事も多いですけど、解体現場はその1/10位で完了しますので、次々と違う現場を楽しむ事が出来るのです。
そういう意味で「飽き」が来ませんね。
特殊な解体現場はやりがいがある
また、特殊な解体現場の場合に携われた時なんかはもっとやりがいがあるかも知れません。
例えば、高層ビルの解体とか、大型店舗の解体、造船の解体にガスタンクの解体なども特殊ですね。
高層ビルなどは、地上から解体する場合と階上(屋上)から解体する場合があるのですが、地上から解体する「超大型解体機」なんて乗ってみたら世界観が変わるかも知れません。
地上65mまで届く世界最大の機械なんかもあります。(ビルの高さにして21階相当だそうです)
正直そこまで届いても運転席から見えるのかな?と思う位高い所まで届いて解体出来る重機もあるのです。
こういった、特殊な機械に乗れるのも解体業の醍醐味化かと思います。
『俺の父ちゃん、ここのビル作ったんだぜ』というのもカッコいいですが『俺の父ちゃん、ここに50年前からあった高層タワー壊したんだぜ』と言うのも最高にクールだと思いませんか?
- 解体工は怖い人が多いの?
実は解体屋は真面目で良い人達の集まりです。
そしてやはり一番は、そこに集まる人たちの人間性が良い事だと思います。
冒頭、申しました通り解体屋は“少し怖い”といったイメージがあるかも知れませんが、そんな事は全然なくて、私が知っている限り、皆さん本当にまじめで親切な方が多いです。
かといって固くて偏屈という事もありません。
人間性豊かで、本当に面白い人達ばかりですので、一緒に働いていても飽きる事はありません。
やはり「仕事は楽しく、一生懸命に頑張れる」事が一番ではないでしょうか?
そういった部分での楽しさ、面白さが解体屋にはあると思っています。