前回の其の①に引き続き、解体工事前のライフラインの解約や撤去の依頼の仕方やタイミング(ガス、水道、浄化槽の)について詳しく解説していきましょう。
ガスの撤去
ガスには、プロパンガス・集中プロパン・都市ガスの3種類があります。①プロパンガスの場合
ボンベに書かれている会社か、メーターのところに貼ってある設置会社のいずれかに連絡してください。
②集中プロパンの場合
集中プロパンは、大きな造成工事を行ったような地域で採用されたガスの供給システムです。
連絡は供給会社に入れて下さい。
これらの供給会社は比較的小さな会社が多いので、とくに早めに連絡したほうがよいでしょう。
②都市ガスの場合
地域を管轄するガス会社に連絡を入れます。
東京ガスさんのような、大きな会社が管理していますので対応もはやく、連絡から2日~3日後、早ければ当日に対応してくれる場合もあります。
※連絡時の注意があります。
必ず建物の「解体工事をするための撤去依頼」だと伝えてください。
都市ガスの場合、『地境撤去してください』(じざかいてっきょ)と伝えると、スムーズに手続きできると思います。
このように伝えないと、停止するだけの扱いになるケースがありますので注意してください。
連絡時に伝える内容は以下のとおりです。
・撤去する場所の住所
・契約者の氏名
・連絡者の氏名
・連絡者の連絡先電話番号
・撤去する時期
・お客様番号もしくはメーター番号
電気の時と同様で立会いが必要になります。
午前の場合は、9時から12時の間みたいな大雑把なスケジュールでの受け付けですので、お時間に余裕をもっておくとよいでしょう。
ケーブルテレビ(CATV)・光ケーブルの撤去
ケーブルテレビ(CATV)の撤去も、契約会社に連絡を入れます。NTTさんの場合とおなじように、連絡から撤去日までに時間がかかります。
ケーブルテレビは、多くのテレビ番組を見ることの出来るメリットがあるため、自らすすんで契約する方も多いと思います。
また一方では、下記のように近くにビル等が建ってしまいアンテナによるテレビの受信が出来なくなったエリアの補償として、無料で提供される場合があるんです。
後者の場合は、受信料が無料のため請求書や領収書などが無いため連絡先が分からない方がおられます。
だだ、このような場合はそのエリア全体が保障されていますのでご近所の方に教えてもらってください。
ひかりケーブルの撤去に関しても同じように、契約会社へ連絡してください。
連絡時に伝える内容は以下のとおりです。
・撤去する場所の住所
・契約者の氏名
・連絡者の氏名
・連絡者の連絡先電話番号
・撤去する時期
・今後の使用予定(撤去して解約なのか?継続利用なのか?)
水道の手続き
水道の場合は、他の手続きとは異なります。と言うのは、その後の工事では工事用水として水道が必要となりますので、撤去をしては困ってしまうからです。
ですので、解体工事の前までに、生活用水として使った水道料金の清算してもらいたいのです。
水道局への連絡は、『清算してください』とお伝え下さい。
連絡時に伝える内容は以下のとおりです。
・清算する場所の住所
・契約者の氏名
・連絡者の氏名
・連絡者の連絡先電話番号
・清算する時期
・今後の使用予定(清算後の予定や支払い予定者)
清算した後の水道の使用量はどうなるの?
お金のことなので、ちょっと心配な部分ですよね。
工事の契約の内容や話し合いによって、いくつかのケースがあります。
【ケース1】
建替えの計画で、解体工事も含めて建築会社(ハウスメーカー・工務店等)にお願いしている場合は、解体工事時より、建築会社が負担をすることか一般的です。
それまでに使った水道料金を、いったん清算をしていただくと、その後の料金は建築会社の負担となります。
【ケース2】
建替えの計画で解体工事を行うが、解体工事は解体業者、新築工事は建築会社(ハウスメーカー・工務店)という場合は、解体工事中の水道料金はお客様に負担していただくのが一般的のようです。
短期間に支払い先を変える手続きのわずらわしさや、使用量が少ないために施主支給という形を取る事が多いと思います。
ちなみに、10日間程度の解体工事で使用する水道の使用量(粉塵対策の散水・作業員の手洗いや道路清掃)は、最大でも10(m3)程度、石井商事のある横浜市の水道料金では16(m3)までが3,066円です。
施主支給の場合の精算は解体工事完了後ということになります。
浄化槽(汲み取り)
浄化槽の汲み取りは、ライフラインとは異なりますが同じ時期に手続きをするものですので一緒にお伝えしたいと思います。汲み取りの連絡と料金の支払いは、ご使用になっていたご依頼者のみなさんです。
料金や支払い方法はお住まいの地域によって違いますが、直接清掃業者へ連絡を入れ汲み取り依頼をするのはどこの地域でも共通です。
業者が分からない場合は、最寄の市町村の役場へ問い合わせをすると教えてもらえます。
石井商事のある、神奈川県の横浜市では18社の清掃業者が指定されています。
ただし、料金はそれぞれの業者が設定しているそうです。
ライフラインの撤去の申し込みは、建物の所有者のみなさんです。
10日~14日前が連絡の目安となります。
原則、費用は掛かりませんので安心してください。
すべての連絡の際は、かならず「解体工事をするための撤去依頼」だと伝えてください。
このように伝えないと、ブレーカーを下ろすだけ、ガスメータのバルプを閉めただけになってしまうので注意してください。
電話線は連絡しておかないといつまでも垂れ下がった危険な状態になりますし、見た目もよくありません。
ライフラインは接続契約業者により、動きの早い業者と、そうでないところがあるので早めの連絡することが賢明です。
水道は、撤去ではなく清算の手続きを行ってください。
解体工事が分離発注の場合は、解体工事終了後に精算してください。
その場合、若干の料金がかかりますが、横浜市場合で3,066円程度の料金で済みますので、近隣への配慮として考えれば安価な対策と言えるでしょう。
浄化槽の内容物(汚物)の汲み取りは使用者みなさんの費用負担になります。
くわしくは地域の役場にお問い合わせください。