これまでの家の解体は人任せ
家を建てる場合は、更地を購入する、あるいは、古家付きの宅地を購入し解体して家を建てる方法が一般的です。
近年は、この古家を解体せずに宅地販売をするケースが多く見受けられます。それは解体費がかからない事や、リフォームして住んでくれる人がいるかもしれないと考えるからです。
又、解体費用は、大きな金額を占めるので、自分で解体業者をみつける人もいます。自分で解体業者を探して依頼することになんら問題はありませんが、ただ単に費用の比較だけでは、いざ工事が始まってからトラブルになってしまうこともあります。
どのようなことに注意すれば、トラブルを未然に防ぐことができるのかガイドをさせていただきます。
解体業者はどう選ぶ
解体業者には、解体する建物の図面や床面積をメールや口頭で伝えるのではなく、必ず現場を見てもらうことです。たとえば、浄化槽やテラスのコンクリートタタキなどは図面ではわかりにくいこともあるからです。
見積もり範囲をしっかり打ち合わせしておけば、仮に2~3社の相見積りをしても容易に比較検討することができます。
解体業者を選ぶ際には、次の2つに注意しておくことです。
①見積書の内容を確認することは勿論、その他にも、作業人数、作業時間、搬出する車の大きさ、ガードマンの人数、近隣への配慮、なども訊くことです。
一般的に木造2階建ての住宅であれば2週間程度で更地になります。
2週間であっても音やホコリなど近隣には迷惑をかけてしまうので、どのような順序で解体をしていくのか、考え方を知ることで会社の姿勢や信頼感を読みとる事ができます。
②建築業者は都道府県知事に認可を受けています。
解体のみを生業とする会社も「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」による都道府県知事登録を受けている必要があります。
なかにはいい加減な会社もあるので、産業廃棄物を不法投棄せず正しく処理されたことを証明する産業廃棄物管理表(マニフェスト)を見せてくれる業者を選ぶことです。
ちなみにこのマニフェストを業者は5年間保管すると同時に、都道府県知事宛に報告する必要があるのです。こういったことを正しく管理している会社は安心であり信頼もできます。
解体費用の目安
建物の解体費用は木造や鉄筋コンクリート造など構造によって違います。
しかし、意外と見落とされがちなのが自宅前の道路の幅です。建物の解体にともなって廃棄物の運搬費用がかかります。4m前後であれば2トントラックで運搬できますが、あまりに道路が狭いと、トラックが入れず、手作業となり解体費用は割高になります。又、人の通りが多かったりする場合、安全対策の為にガードマンも必要になってきますので解体費用は割高となります。
一般的におおよそ目安をたてるのであれば、木造住宅で5万円/坪、鉄筋コンクリート造で7万円/坪くらいです。仮に2階建ての木造住宅で延床面積30坪くらいであれば30坪×5万円=150万となり、そこに雑費や経費などが含まれ、おおよそ180万円前後が目安となります。
解体工事で恐いのは建物の下に昔の井戸があったり、小さな防空壕が出てきた場合です。古家付きの宅地を購入し、建物を解体した際に、買主が知りえない地下埋設物があった場合は、売主の責任で処理するといった条項を設けておくことも忘れない様にしておきましょう。
近隣へのあいさつは必ず!お祓いは?
建物を解体する際、事前に近隣へのあいさつ廻りはしっかり実行して下さい。
工務店、あるいは解体業者と一緒にまわってもよいでしょう。ただ家祓いなど神主を呼んでお祓いをするかどうかで悩む人がいますが、これは個人の考え方によってバラバラですし、自分で清められる方もいらっしゃいます。もし建替えであれば家族全員揃って記念写真に納めておくこともやがて良い思い出になってくると思います。