それでは実際の内装解体工事の流れについてご紹介します。
大まかな流れは下記のようになります。
1.足場の設置と現場の養生
2.内装の撤去
3.床材の撤去
4.最終仕上げ(原状回復)
ステップとしてはこの4つだけで、最終仕上げが終わった段階で建物の所有者に承認をしてもらえば、内装解体工事は完了します。
これだけでは分かりにくいので、それぞれの工程をもう少し詳しく説明します。
・足場の設置と現場の養生
まずは解体現場の準備から始めます。
解体するからといって、無造作に取り壊しをしていいというものではありません。
工事現場への搬入口、共有スペースを傷つけてしまわないように養生を行います。
什器などの大きなものの撤去はこのタイミングにしておくと、壁などを傷つけないで搬出ができます。
また、安全に作業をするために足場を組みます。
天井材の撤去などは足場がないとできません。
ここまで行って、初めて内装解体工事の準備が完了します。
・内装の撤去
準備が整ったら、天井や壁紙、電気配線までありとあらゆるものを撤去します。
気をつけたいのはきちんと分別をして取り除くということです。
捨てるものはすべてゴミですが、そのゴミを分別せずに撤去すると後々の分別作業が大変なことになります。
解体をしながらゴミの分別も心がけてください。
・床材の撤去
内装をすべて取り除いたら、最後に床材を撤去します。
天井材や壁材は手で取り除くことができますが、床材はしっかりと床に固定されています。
手動では取り除くことができませんので、専用工具を使って、床材を剥がします。
ちなみに、この剥がす作業のことを「ハツリ」と言います。
ハツリを行うときには、かなりの騒音や振動が発生しますので、他の店舗や会社に迷惑の掛からない時間帯を狙って行います。
作業できる時間が限られていることと作業に時間がかかることで、通常は2日作業になります。
・最終仕上げ(原状回復)
内装を解体したら、ゴミなどを取り除いて原状回復させましょう。
借りた時の状態になっていれば問題ありません。
ゴミなどは残さないように気をつけてください。
建物によっては解体工事のあとに、新しい壁紙を貼ったり、給排水設備の工事を行うこともあります。
どこまで原状回復をさせるかについては、所有者としっかり話し合いをして決めておきましょう。
「なんとかなるか」
と適当に行っていると、
「そういうつもりはなかった」
というようなトラブルに繋がる可能性がありますので、気をつけてください。
・工事完了後の処理
解体工事が終わったらそれで終了というわけではありません。
まだしなくてはいけない処理がありますので、解体工事後にすべきことについてご紹介します。
・産業廃棄物を処分する
基本的には解体業者に任せておけばいいのですが、格安の解体業者に依頼をすると、産業廃棄物を不法投棄するケースも珍しくないようです。
投棄されたものから、元の持ち主が分かった場合、罰せられるのは元の持ち主になる可能性があります。
産業廃棄物の処分は解体業者に任せていいのですが、必ずマニフェストを提出してもらいましょう。
マニフェストは、正規の方法で廃棄しましたということを示すものです。
どのような流れで産業廃棄物を処分したのか、どの業者が運搬して、どの業者が処分したのかまで書かれています。
処分してから請求するのではなく、解体工事を依頼するときに必ず提出するようにお願いしておきましょう。
きちんと保管しておけば、仮に解体業者が不法投棄をしていても、できる範囲で管理していたと言えますし、何よりも不法投棄される確率が下がります。
・テナントの清掃
原状回復しておけば、もうそれで十分だと思いがちですが、「原状回復」がどこまでなのか、貸主と借主で一致していないことがあります。
基本的な考え方としえは、「今すぐにでも借り手が見つかりそうな状態」にしておく必要があります。
工事が終わったら、きちんと掃除機で隅々まで掃除しておきましょう。
そこまで解体業者に依頼することもできますが、曖昧にしているとホウキでさっと掃いておしまいというような業者もあります。
出ていくのだからそこまでしなくても。
そう思うかもしれませんが、こういう目立たないところをきちんとできるかどうかで、後からトラブルになるということを回避できたりします。
それほど手間のかかることではありませんので、きれいな状態にして返しましょう。