小田急電鉄が、車両基地に保存している歴代ロマンスカーなどの保存車両を一部解体することが7月6日、明らかになったようです。
鉄道ファンにとっては、車両解体というのが廃線よりも辛い話であります。
2018年3月の複々線化完成に伴う増発のため、車両の収容スペースが不足することが理由。
小田急は「苦渋の決断。保存している車種は必ず残していくという前提で、複数ある車両については一部を解体することにした」と説明しています。
小田急が保存しているこれらの車両は、長いものでは保存期間がすでに約30年にも及ぶが、一部のイベントの際などを除けば一般には公開されていないよう。
近年は、鉄道各社が博物館や資料館などで保存車両を一般向けに公開する例も増えているが、同社は「現時点では博物館などの施設を設けるという具体的な話はない」という。
小田急電鉄OBで、同電鉄や鉄道全般に関する著書が多数ある生方良雄さんは、今回の件について「少なくとも1両ずつは残るということで、やむを得ないかと思う。今後もこのようなケースはあり得るので、たとえば『鉄道友の会』が保存を続けている鉄道会社を顕彰するなど、文化的・歴史的遺産として車両保存を続けられる仕組みが必要では」と話しているようです。
今回、一部の車両を解体しても小田急の保存車両は計15両あり、私鉄による車両保存としては規模が大きい。
同社も「歴史的価値と人気の高いこれらの車両を広く後世に伝えたい」としているだけに、今後はぜひ一般に向けた展示・公開の機会が増えることを期待したいですね。