持ち主の所在がわからない老朽化した空き家について東京・世田谷区は、建物の解体から敷地の売却までを一括して手続きできる民法の規定を活用して解体しました。区では今後、同じようなケースで活用できるとしています。
これは、12日開かれた定例の記者会見で、世田谷区の保坂展人区長が明らかにしました。解体された空き家は老朽化した平屋の木造住宅で、人が住まなくなってから長年、放置されていました。
壁が大きく崩れるなどしたため、周辺の住民から苦情が寄せられ区は持ち主を捜しましたが、所在を確認することができなかったということです。
このため、民法の規定によって建物の解体から敷地の売却までを一括して進めることのできる「不在者財産管理人」を家庭裁判所に選任してもらい、今月3日、建物を解体しました。
区によりますと、この制度を活用したのは都内で初めてで、この手法では、敷地の売却代金を解体費用に充てることができるなど区の負担も少ないということです。
世田谷区は、今後、同じようなケースで活用できるとしています。保坂区長は「空き家の状況は1軒1軒、異なっているのでケースに応じ、さまざまな手法を駆使して周辺住民の不安を解消していきたい」と話しています。(参照:NHKニュース)